子宮頸がん予防に有効なHPVワクチンのキャッチアップ接種期間が延長されました。厚生労働省は、定期接種を受けられなかった1997～2008年度生まれの女性を対象に、来年3月まで無料接種を継続することを決定しました。
当初、来年3月末までに初回接種を開始すれば、その後1年間は無料で接種を受けられるとされていましたが、夏の需要増加による供給制限などを考慮し、期間延長が決定されました。3回の接種には最短4ヶ月かかるため、接種完了には11月末までに初回接種を受ける必要がありましたが、この措置により、より多くの女性が接種できる機会が得られます。
HPVワクチンは、小学6年生から高校1年生までの女性を対象とした定期接種として導入されましたが、接種後の健康被害の訴えを受け、一時的に積極的勧奨が中止されていました。2022年4月に勧奨が再開されたものの、その間に対象年齢を過ぎてしまった女性のために、キャッチアップ接種が実施されてきました。
HPVウイルスは性交渉を通じて感染するものの、約90％は自然に消滅します。しかし、長期間感染が続くと子宮頸がんを発症するリスクが高まるため、予防接種が重要です。
世界保健機関（WHO）は、2030年までに子宮頸がんのない世界を目指し、グローバル戦略を展開しています。この戦略には、15歳までの少女の90％へのHPVワクチン接種が含まれています。日本もこの目標達成に向けて、積極的な取り組みを進めています。
子宮頸がんは予防可能な病気です。対象年齢を過ぎた女性は、この機会にHPVワクチンの接種を検討することをお勧めします。
