厚生労働省は11月27日、子宮頸がん予防のためのHPVワクチンのキャッチアップ接種期間を延長することを発表しました。
これまで、定期接種を逃した1997~2008年度生まれの女性を対象に、来年3月まで無料で行われる予定だったキャッチアップ接種ですが、この度、期間延長が決定されました。
今回の延長により、2024年3月末までに初回接種を受ければ、その後1年間は無料でHPVワクチン接種を受けられます。厚生労働省によると、3回の接種には最短4ヶ月かかるため、接種を完了するには11月末までに初回接種を受ける必要がありましたが、夏以降の需要増加と一時的な出荷制限を考慮し、期間延長が決定されたとのことです。
HPVワクチンは、小学6年生から高校1年生の女性を対象に無料で接種できる定期接種となっています。しかし、2013年4月の定期接種開始後、全身の痛みなどの副反応の報告が相次ぎ、同年6月から積極的な勧奨が一時中止されました。2022年4月に勧奨が再開されたものの、その間に対象年齢を過ぎた女性のために、キャッチアップ接種が実施されてきました。
HPVウイルスは主に異性間の性交渉を通じて感染しますが、感染者の約90%は自然にウイルスが消滅します。しかし、長期間感染が続くと子宮頸がんを発症するリスクが高まります。
世界保健機関(WHO)は、2030年までに子宮頸がんを撲滅するというグローバル戦略を掲げており、その目標達成のためには、15歳までの少女の90%へのHPVワクチン接種が不可欠です。
子宮頸がんは予防可能な病気です。まだHPVワクチンを接種されていない方は、この機会に接種を検討してみてはいかがでしょうか。