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DMM.comグループの暗号資産交換業者、DMMビットコインは、顧客資産の不正流出を受け、事業を廃止し、SBIグループ傘下のSBIVCトレードへ顧客資産を譲渡すると発表しました。
5月には482億円相当のビットコインが不正流出する事件が発生し、サービスが制限された状態が続いていました。顧客への影響を長期化させないため、資産の移管という決断に至ったと説明しています。
DMMビットコインは公式声明で、顧客への謝罪と事業廃止の意向を示しました。SBIVCトレードは、全ての顧客口座と資産の移管を受け入れると発表し、顧客第一主義のサービス提供を約束しています。
両社は資産譲渡に関する基本合意に達しており、今後、本契約締結に向けた協議を進めていきます。2025年3月頃には口座と資産の移管が完了する見込みです。
DMMビットコインは2024年3月期決算で、45万の顧客口座と962億円の顧客資産を保有していました。譲渡額は30億~50億円程度と推定されています。
5月の不正流出事件を受け、金融庁は9月にDMMビットコインに業務改善命令を出しました。DMMビットコインは、顧客資産の全額保証のため550億円を調達し、流出分のビットコインの買い戻しは6月中旬に完了しています。不正流出事件については現在も調査が継続されています。