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「レット・イット・ゴー」10周年:なぜこの曲は私たちの心をつかみ続けるのか?

ⓒ 読売新聞

ディズニー映画『アナと雪の女王』の主題歌「レット・イット・ゴー~ありのまま~」が、公開から10年経った今もなお世界中で愛され続けています。アカデミー賞を受賞したこの曲は、世代を超えて人々の心を掴み、カラオケでも人気の定番となっています。

しかし、この大ヒットは最初から約束されていたわけではありませんでした。2013年の発売当初は、ビルボードチャートでもトップ10入りを果たせず、注目を集めるには至りませんでした。しかし、翌年1月、突如としてビヨンセを抑え1位を獲得。何が起きたのでしょうか?

それは、まさに「アナと雪の女王」フィーバーの到来でした。映画館は家族連れで賑わい、子供たちはアナやエルサになりきって遊びました。そして何よりも、「レット・イット・ゴー」が人々の記憶から離れなかったのです。

専門家によると、この曲の人気の秘密は、ホイットニー・ヒューストンやマドンナの楽曲を思わせる親しみやすいメロディー、そして「Don’t Stop Believin’」など多くのヒット曲で使われている一般的なコード進行にあるようです。さらに、サビの「レット・イット・ゴー」というフレーズが繰り返し使われていることも、記憶に残りやすい一因となっています。

しかし、単なる「繰り返し」ではありません。歌詞をよく見ると、エルサの成長と自己受容の過程が歌われており、聴く人それぞれが共感できる深い意味が込められています。大人になるにつれて強くなる自己主張、あるいはクィアな意味合いを解釈する人もいるなど、多様な解釈が可能である点も魅力の一つと言えるでしょう。

「レット・イット・ゴー」は、世代や文化を超えて、私たちの心に深く響く普遍的なテーマを歌っているからこそ、10年経った今も色褪せることなく愛され続けているのではないでしょうか。

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